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2026.07.21
2026.07.21

【NISAとiDeCo】違いを比較!どっちを優先する?併用のメリットも元銀行員がわかりやすく解説

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執筆者:
LIMO&Finance編集部
監修者:
円城 美由紀
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/金融ライター

資産形成への関心が高まるなか、「NISA」と「iDeCo」は、資産づくりの代表的な制度で、どちらも国が用意した税制優遇のある制度です。

名前は知っていても「NISAとiDeCoの違いがよくわからない」と感じている方も少なくありません。さらに、両方を併用すべきか、どちらを優先して先に始めるべきかで迷い、なかなか一歩を踏み出せないケースもあります。

そこで本記事では、「NISA」と「iDeCo」の違いを基本から整理し、併用の可否や優先順位の考え方、立場別の向き・不向きまで、ファイナンシャルプランナーの視点でわかりやすく解説していきます。

【まず整理】「NISA」と「iDeCo」は何が違う?基本のしくみを解説

最初に、それぞれの制度の基本をおさえておきましょう。

「NISA」と「iDeCo」はどちらも税制優遇を受けながら資産形成ができる制度ですが、制度の目的や仕組みが異なります。

【NISA】とは?「いつでも引き出せる」非課税制度

「NISA(少額投資非課税制度)」は、NISA口座で一定の条件を満たす金融商品を運用して得た利益が非課税になる制度です。

通常、投資信託や株式の運用益には「20.315%」の税金がかかりますが、NISA口座での運用益にはこの税金がかかりません。

2024年から新しいNISAが始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つが用意されています。年間の投資上限や非課税で保有できる金額の枠も拡大しました。

NISAの大きな特徴は、「必要なタイミングで売却し、資金を引き出せる」点です。教育費や住宅資金など、将来使う予定のあるお金の準備にも向いています。

新NISAの上限について詳しく知りたい方は、「【新NISA】上限は年間「360万円」、非課税保有限度額は「1800万円」超えたらどうなるかも解説」も合わせてご覧ください。

【iDeCo】とは?「老後資金づくり」に特化した私的年金

一方の「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、自分で掛金を出して運用し、老後に受け取る私的年金の制度です。

iDeCoには、NISAにはない大きな特徴があります。それは「掛金が全額所得控除の対象になる」という点です。運用益が非課税になるのはNISAと同じですが、iDeCoは掛金が全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税の負担が軽くなる場合があります。

iDeCoの節税効果について詳しく知りたい方は、「2026年版【iDeCo】利回り別にシミュレーション!節税や運用、受け取りの試算ポイントとは」も合わせてご覧ください。

iDeCoを利用するうえで押さえておきたいのが、「原則60歳まで資産を引き出せない」といった点です。老後資金づくりを目的とした制度であるためです。

また、掛金の上限額は職業や加入している企業年金の有無によって異なります。2024年12月に掛金上限の見直しが行われました。

※iDeCoの掛金上限額や加入できる年齢、受給開始の条件は変更されることがあります。ご自身の上限額はiDeCo公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

【比較表で確認】「NISA」と「iDeCo」の違い

ここまでの内容を、表で整理してみましょう。違いを確認しておくと、後の判断がしやすくなります。

項目

NISA

iDeCo

制度の目的

幅広い資産形成

老後資金づくり(私的年金)

運用益への課税

非課税

非課税

掛金の所得控除

なし

あり(全額が対象)

引き出し

いつでも可能

原則60歳まで不可

受け取り時の課税

なし

課税の対象になる場合あり

主な手数料

口座管理手数料は原則なし※

口座管理手数料などが継続的に発生

※金融商品によって売買手数料や信託報酬などは異なります。

こうして並べてみると、2つの制度の性格の違いが見えてきます。

表で比較すると、NISAは資金を自由に引き出しやすい一方、iDeCoは老後資金づくりに特化し、掛金が所得控除の対象となるなど税制面でのメリットがあります。それぞれ特徴が異なるため、資産形成の目的やライフプランに応じて検討しましょう。

【併用できる?】「NISAとiDeCoは併用できない」は誤解

「NISAとiDeCoは併用できない」という情報を耳にし、併用できないと思っている方もいるのではないでしょうか。

実際には、NISAとiDeCoは併用できます。それぞれの口座を開設し、同時に利用するのも可能です。

「併用できない」といわれる背景には、いくつかの理由が考えられます。

  • 「非課税制度は一人ひとつまで」という思い込み:NISAは一人1口座までですが、iDeCoとは別枠で管理される

  • 家計への負担を心配する声が、いつの間にか「制度上できない」と話がすり替わってしまうケース
  • iDeCoの資金拘束(原則60歳まで引き出せない)とNISAの自由度の違いが誤解された

実際には、NISAとiDeCoは根拠となる法律も制度も異なります。

併用を検討する際は、病気や失業など万一の事態に備える生活防衛資金を確保したうえで、余裕資金の範囲で積立額を決めるとよいでしょう。一般的には、生活防衛資金は生活費の3~6カ月分程度が目安とされています。

【どっちが先?】限られた資金なら「優先順位」はどう考える?【元銀行員の見解】

「両方するのは資金的に難しいけれど、どちらかから始めたい」という方もいるでしょう。限られた資金のなかで優先順位を考える際は、「そのお金をいつ使うか」といった視点が参考になります。

  • 数年以内に使う可能性がある(教育費・住宅資金など)→ NISAを検討

  • 老後まで使う予定のない資金→ iDeCoも選択肢

NISAはいつでも引き出せるため、使う時期が決まっていないお金や、途中で必要になるかもしれないお金に向いています。

一方、iDeCoは60歳まで引き出せない代わりに、掛金の所得控除の税制メリットがあります。「これは老後まで使わない」と決められるお金であれば、iDeCoの恩恵を受けやすいといえるでしょう。

また、iDeCoの所得控除によるメリットは、課税所得の大きさによって変わります。所得税・住民税の負担が大きい方ほど、控除による効果を受けやすい傾向があります。

優先順位に絶対の正解はありません。収入や家族構成、ライフプランなどをふまえ、自分に合った方法を検討しましょう。次章では、立場(属性)別の考え方を紹介します。

【立場別】専業主婦・公務員・50歳代…「自分の場合」はどっち?

「自分の場合はどちらが向いているのか」が、いちばん気になるところではないでしょうか。代表的なケースを見ていきます。

専業主婦(夫)・扶養内で働く方の場合

所得税や住民税の負担がもともと小さい、あるいはない場合、iDeCoの「所得控除」のメリットは出にくくなります。所得控除の対象となる税額そのものが少ない、またはないためです。

このケースでは、運用益が非課税になり、いつでも引き出せるNISAから検討するのも一つの考え方でしょう。

会社員・公務員の場合

給与所得がある方は、iDeCoの所得控除によるメリットを受けられる可能性があります。現在は公務員もiDeCoに加入できます。ただし、勤務先の企業年金の有無によって掛金の上限が変わる点には注意が必要です。

NISAの柔軟性とiDeCoの税制メリット、その両方を活かす併用も選択肢になるでしょう。

50歳代・プレシニアの場合

老後資金を具体的に考え始める方が増える時期ですが、iDeCoは加入時期によって受給開始年齢が異なる場合があります。

60歳から受け取るには、原則として60歳時点で通算加入者等期間が10年以上必要です。50歳代から始める場合は、何歳から受け取れるのかを事前に確認しておきましょう。

【iDeCoはやめたほうがいい?】よく言われる理由を冷静に見ていきましょう

ここまで立場別の選び方を紹介してきましたが、一方で「iDeCoはやめたほうがいい」という意見を目にすることもあります。その理由について確認してみましょう。

主に挙げられるのは、次の3点です。

  • 原則60歳まで引き出せない(流動性の低さ)

  • 口座管理手数料などのコストが継続的にかかる
  • 受け取り時に課税の対象となる場合がある

まず、iDeCoは60歳まで資産を引き出せません。急な出費に対応しにくい一方で、老後資金を途中で使わずに残しやすい制度とも言えます。

次に「手数料」です。iDeCoは加入時や運用中、給付時などに手数料がかかります。元本確保型の商品を選んだ場合でも、手数料負担によって資金全体が目減りする可能性があります。また、運用商品によっては元本割れする可能性がある点も理解しておきましょう。

また、iDeCoは受け取る際に課税の対象になる場合があります。ただし、一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除の対象となるため、受け取り方も含めて考える必要があります。

iDeCoは、誰にでも合う制度とは限りません。引き出し制限や手数料、受け取り時の税制を理解したうえで、自分の家計や老後資金計画に合うかを判断しましょう。

【FPの視点】「NISA」と「iDeCo」を選ぶときの判断ポイント

最後に、ファイナンシャルプランナーの視点から、判断のときに確認しておきたいポイントを整理します。

確認したいポイント

考え方

お金を使う時期

・数年以内に使う予定があるならNISA

・老後資金ならiDeCoも選択肢に

所得控除のメリット

所得税・住民税を負担している方ほどiDeCoのメリットを受けやすい

資金の引き出し

60歳まで使わない資金かどうかを確認する

手数料

NISAは金融商品によって売買手数料や信託報酬などがかかる

iDeCoは加入時や運用中などに手数料がかかる

生活防衛資金

病気や失業などに備えた資金を確保しているか

大切なのは、どちらか一方を「正解」と決めつけないことです。NISAとiDeCoは、目的に応じて使い分けたり、併用したりできる制度です。特定の金融機関や商品をすすめるものではありません。

ご自身のライフプランや家計の状況に合わせて、無理のない範囲で選んでいくことが重要です。

なお、投資にはリスクがあり、元本が保証されるものではありません。運用の成果は市場環境によって変動します。本記事の内容は一般的な解説であり、将来の運用成果を保証するものではない点にご留意ください。

制度の最新情報は、公的機関の公式サイトなどでも確認し、自身のライフプランに合わせて活用を検討しましょう。

【まとめ】NISAとiDeCoは併用可能。ライフプランに合わせて活用しましょう

「NISA」と「iDeCo」は、どちらも税制優遇を受けながら資産形成ができる制度ですが、目的や仕組みは異なります。

NISAは教育資金や住宅資金など、さまざまな目的に向けた資産形成に活用しやすく、iDeCoは老後資金づくりに適した制度です。

どちらを選ぶかは、「いつ使うお金なのか」「どのような目的で資産形成をしたいのか」によって変わります。どちらか一方が優れているわけではなく、ライフプランや家計の状況に応じて使い分けたり、併用したりすることも選択肢の一つです。

最新の制度内容は公的機関の情報も確認しながら、自分に合った方法で無理なく資産形成を続けていきましょう。

参考資料

執筆者
LIMO&Finance編集部

LIMO&Finance編集部は、お金の専門家がわかりやすく解説する金融メディア「LIMO&Finance」のコンテンツ企画、制作および編集を行っています。「LIMO&Finance」株式会社モニクルリサーチが運営しています。

投資や資産運用にリスクが伴う以上、お金に関する「知識」をしっかりと持っておきたいし、「信頼」できる専門家の意見も参考にしたい。

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監修者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/金融ライター
円城 美由紀

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)AFP証券外務員一種保有
みずほ銀行にて、預金業務をはじめ、資産運用や相続に関する相談業務に従事。個人顧客のニーズに応じた資産形成やライフプランの提案を行う。
現在は金融分野を中心にライター・編集者として活動。社会保障、公的年金、資産形成、税制、相続、保険などをテーマに、官公庁や公的機関の一次情報をもとにした記事の執筆・編集を担当している。
 

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